平成サバイバーの彷徨

『他の誰もが無条件で受けている尊厳を戦い取らねばならぬ者へ』

飲み会の幹事のトリセツ(段取りと心構え)

「どいつもこいつも…」と発狂しそうな想いを抱えながらも、ひとつの企画を成功させんがために奔走する幹事に捧ぐ。

 

基本的な段取り

1.企画の華となるメンバーが参加できる日程を確認する

  • 華となるメンバーが最も多く参加できる日を候補日に設定する。華となるメンバーが参加できる日は、なにがあっても動かしてはならない。別日程の方が参加できる人が多いことが後から分かったとしても、だ。華となるメンバー(企画の主役、場を盛り上げてくれる人)が集まれる日を最優先にする。

2.予算と会場の決定

  • ひとりあたり3000~3500円の会場を設定する。これ以上は会社予算の飲み会でもアウト。飲み放題付きで、飲み会嫌いからも不満の出にくい価格帯が3000~3500円。
  • 料理のクオリティは大切だがマストではない。重要なのは「値段」と「立地」と「お店の雰囲気」。この3点は絶対に外してはならない。この3点さえ抑えておけば参加者は満足する。しかし、この3点に問題があれば、いくら低予算だったとしても参加者は不満を抱く。
  • 何人集まるか分からない場合、かつキャンセル料がかかる会場の場合、仮予約する。それすらできないお店は避ける。
  • ビアガーデンなど雨天中止の危険のある企画、30名以上集まるような広い会場を必要とする企画、このような企画の会場を確保するときは、会場キャンセル時の料金ルールをよくよく確認する(筆者はキャンセルポリシーを確認しなかったことで、何度も痛い目にあった)

3.参加対象者への連絡、参加有無の確認

  • 参加対象者に連絡するべきは、下記5点。
    ①日時
    ②会場情報(アクセス、料理メニュー) ※会場URLを貼っておけばOK
    ③予算
    ④集金のタイミング

    ⑤参加有無の連絡方法

「⑤参加有無の連絡方法」は下記のようなフォームを使うとよい。

  • 参加状況or参加有無返事率が芳しくない場合、個別に予定を確認する。面倒な作業だが、失敗できない企画の場合、サボってはいけない。聞いたら不参加の場合が多いが、構わずに確認すること。
  • 具体的な予定確認の段取りは次のとおり。華となるメンバーの予定の確認⇒上司の予定の確認⇒全体に飲み会候補日を連絡⇒参加連絡が遅い人へ個別に確認
  • 上司や年配の方の人の参加費用が他の人より高くなる場合、早急に相談し了承を得ること。「~という理由から、●●さんの負担額が○○円になります。大変申し訳ございません」とお詫びしつつ、理由をしっかり述べれば、大抵の人は承諾してくれる。飲み会の翌日は必ずお礼を述べること
  • 不参加と言っておきながら当日になって、やはり参加したいという人が出てきた場合、もしくは参加すると言っておきながら、当日になって不参加を表明してきた人が出てきた場合、まずお店に確認します、と答えて、明確な回答を留保すること。お店側も慣れているので、調整してくれる場合が多いが、もし対応してくれなかった場合、その旨を当人に伝えること。(なお、お店側が対応してくれなかった場合、参加表明しておいてドタキャンした人の参加費は必ず徴収するようにすること。ここだけは毅然として対応しなければならない)

 

4.当日の動き

  • 会場への移動は、参加者各々に任せてよい。集まって移動する場合もあるので、場の空気を読んで臨機応変に対応する。会社の飲み会である場合、上司と一緒に会場へ向かうこと。幹事が先にお店へ向かう必要がある場合は、信頼できる人に上司の移動の補佐をお願いするとよい。
  • 幹事は、お店のスタッフとやりとりがしやすく、運ばれてきた飲食物を受け取りやすい席に座ること。
  • 場は華となるメンバーが盛り上げてくれる。幹事は黒子に徹すること。飲み物を席へ持って行ったり、空になった皿やグラスを取り下げたり、追加の注文をしたりなどは幹事の仕事である。
  • 飲み会の終了時間になったら、幹事から切り出すこと。誰かが言ってくれるのを待ってはならない。また、予定していた終了時間より早めても遅めてもならない。

5.会計

  • 参加費を集めるタイミングは3通り。ケースバイケースで設定する。
    ①企画開始前に集金(キャンセル料がかかる企画、参加費が高い企画、参加人数が多い企画)
    ②企画終了直前に集金(少人数の企画、友達との企画)
    ③後日に集金(会社の飲み会)
    いつ集金するかは、事前に周知すること。周知を怠たると金銭トラブルにつながる。
  • 大規模な人数の企画で、企画終了後に集金する場合、参加者チェックリストと両替用の千円札、小銭を用意しておく。
  • 二次会を想定する場合、会場のメドだけつけておく。二次会は当日の盛り上がり方で参加人数、最適な会場が決まるため、その場の空気で決めるくらいの気持ちでよい。二次会への参加者が一人もいない場合もあるので、予約しておく必要はない。

幹事が持つべき4つの心構え

困った行動をする人にイライラしてはならない

返事をしない人、遅れてくる人、ドタキャンする人、当日に飛び入り参加する人、クレーマー、etc 奴らは、必ず現れる。ここでイライラしてはならない。淡々と処理すること。幹事の最も大切な仕事は、イライラを外に出さないこと。

※前述したように、お店側は参加人数の増減の対応に慣れている。想定外の人数変動は、まずお店に相談しよう。

 

みんなが満足する飲み会にするのは不可能

どんなに優秀な人であっても、みんなが満足する企画にすることはできない。失敗したとしても、それは自分の能力のせいではないと割り切りろう。

つぎに、他者と相談しながら企画内容を決めることは絶対に避けなければならない。あなたから相談を受けた人は、自分の意見が採用されるものと思って、意見を発する。あなたがその意見を採用しないことにした場合、彼らはあなたに不満を抱き、企画を壊すモンスターへと変貌する。幹事を任されたら、人に相談せず、自分で決めること。相談はどうでもいいことだけに限ること。アンケートを取らざるを得ないときは、候補数だけ顰蹙を買うことになるため、2候補が望ましい。また、アンケート結果で決まったことは、決して変更してはならない。

 

あなたが幹事の企画は、あなたが全てコントロールする

企画の主導権を他の人に握られないようにしよう。ほかの人に主導権を奪われた企画は悲惨な結果を生む。成功すれば他の人の手柄になるし、失敗すればあなたのせいになる。

幹事慣れしていない人(=企画をコントロールする自信がない人)は、信頼できる人を2名までサブメンバーに引き入れて、助けてもらうこと。サブメンバーが3名以上になると、まとまりがなくなり企画自体が崩壊する。

企画を完璧にコントロールするためには、段取り、予算計画、懸念事項のすべてが頭の中に入っている必要がある。また、企画内容が大規模になるほど、考えるべきことが増える。そんなときは、考えるべきことを紙に書き出すとよい。こんな単純な対策が、なかなかバカにならない。思考は整理され、トラブルが起こっても落ち着いて対処できるようになる。

 

幹事は、あらゆる場面で言い訳をしてしまいがちだ。しかし、幹事は言いたいことを全て飲み込まなければならない。誤解があったとしたなら、それを最後まで背負わなければならない。

どうしても弁明したいことがあるならば、企画の終わった後にしよう。それも頭が冷静になってからにすること。冷静さを欠いた状態で、口から出てくる言葉はロクな結果を招かない。まずは冷静さを取り戻すこと。

 

 

諸君の武運を祈る。